熊本にアーチェリーが導入されたのは、昭和39年9月高橋民平(初代会長)、高橋民人の両氏による。もともと、高橋家は和弓一家であるが、民人は緒方誠、早川博、山村一郎、中島桂介らの参画を得て熊本アーチェリー協会を組織した。
昭和39年11月に吉本辰生が入会し、「熊本県アーチェリー協会」と改組して協会規約などを整備し広く県下に普及するきっかけをつくった。これは九州において最初の組織であり、点在していた九州の同好者に大きな刺激となった。
昭和41年に松野頼三を会長(現名誉顧問)に迎え、吉本辰生が理事長(前会長)に就任した。
また吉本は全日本アーチェリー連盟の理事に就任し、先進県の技術、競技方法を意欲的に導入し、熊本県アーチェリー協会の組織と競技力を全国レベルまで引き上げるために努力した。
当初、練習場に恵まれず、緑川河川敷などを使っていたが、昭和42年菊陽町(平成11年度くまもと未来国体アーチェリー競技会場地)に、九州アーチェリークラブ(民営)が開設され、こけら落としに全日本チャンピョンの末田実氏を迎え西日本アーチェリー選手権大会を開催、世界チャンピョン、H・ワード(米国)が指導のため来熊したのもこのころである。
熊本県の黎明期におけるアーチェリーは、吉本辰生らによって育てられ、さらに高浜照雄、丸尾研一郎、村崎孝四、梅田隆一本田民雄らによって伸びてきたと言える。
昭和47年熊本県体育協会に加盟、県内におけるスポーツ団体としての位置付けが確立された。
また身体障害者の間にもアーチェリーが普及し、菊池の白鳩園の西本惣太郎園長が積極的に取り組み、身障者スポーツとしてアーチェリーの適合性を実証し、全国身障者スポーツ大会において松本八重子(旧姓富岡)選手が初の金メダルを獲得しその後も優秀な成績を収め現在、園田繁昭氏らによる熱心な普及活動が進められている。
また、昭和47年全日本社会人選手権大会を、熊本商科大学(現学園大)グラウンドで開催したが、全日本規模の競技が九州で開催されたのはこれが最初である。
昭和54年県民総合運動公園で全日本選手権を兼ねて日米親善国際大会を開催した。この試合でダレル・ペイス、リック・マッキニーの両選手が世界記録をマークしたが特にペイスの1,341点の記録はアルミ矢では、驚異的なもので、この記録は10年以上破られなかった。
社会人は13支部で、96名(平成14年度全ア連登録)国体と同じ年輪を刻む熊本県民体育祭へは、昭和43年から参加し、各支部対抗戦として隆盛を極めている。大学においては、熊本大学(昭和41年)、続いて熊本商科大学(昭和45年現学園大)九州東海大学(昭和53年)と部の誕生をみた。高校生は、県立第二高校、東海大学第二高校、県立氷川高校、県立多良木高校、フェイス女学院高校の5校で93名(平成14年度登録)活動し氷川高校においては平成12年選抜、高校総体、国体と三冠をはたし、めざましい活躍をみた。また平成13年急逝された前会長の吉本氏が長年の夢であり拝領に奔走された高校総体への高円宮賜杯がくしくも氷川高校に最初にもたらされたのも何とゆうか不思議なものである。また社会人では原口航がバンコクアジア大会において銅メダル、坂本隆輝がイタリアフィレンツェでの世界インドア選手権の代表となるなど活躍している。
後は強化の課題として国体の上位入賞を望みたいものである。
近年は、平成10年全日本選手権、平成11年くまもと国体、平成13年全国高校総体、平成14年全国身体障害者選手権大会と全国大会の連続であるが、大会運営で学んだノウハウなど協会会員にはすばらしい経験ができたとの想いである。また全国からの選手、役員との交流は貴重な体験であった。平成16年度は全日本社会人選手権が32年ぶり帰って来るとの事、選手強化、指導者、審判員の養成、普及、施設設備等超えるべきハードルは沢山あるが、荒木会長のもと会員一丸となってがんばって行きたい。
2003/4/27(日)熊本県アーチェリー協会ホームページ開設
2004年平成16年度は熊本県アーチェリー協会にとっては、すばらしい年となりました。5月に開催されたジュニア世界選手権最終選考会において多良木高校の寺井真美、生田由貴両選手がワンツーフィニッシュで日本代表に選ばれ7月イギリスのリリシャルで行われた第8回世界ジュニア選手権大会に出場しました。結果は団体6位と過去最高の成績でした。
また、6月菊陽杉並木特設会場で開催された第37回全日本社会人ターゲット選手権大会において谷口裕子がコンパウンド部門でみごと日本一に輝きました。
最後に10月埼玉県で開催された第59回国民体育大会において本県念願であった団体優勝が成年男子坂本隆輝、植田浩太中山由一、三選手によって達成されました。
2006年6月スロバキア・ヴィニチネー第6回世界学生選手権に寺井真美さんが代表として出場しました。
2007年3月トルコ・イズミール第9回世界学生室内選手権に寺井真美さんが代表として出場しました。
7月ドイツ・ライプチヒ第44回世界ターゲット選手権にコンパウンドとしては初めて谷口裕子さんが代表として出場しました。
2008年7月台湾・台南第7回世界学生選手権に寺井真美さんが出場し個人8位入賞、女子団体3位に輝きました。